ホームページ制作にも使える補助金制度とは?申請方法と注意点〜其の2〜
前回は、ホームページ制作にも活用できる補助金制度があることをご紹介しました。
今回は、実際に利用されることが多い代表的な補助金制度について、対象条件・申請先・認可までの期間・注意点を具体的にご紹介します。
長いですがエン君が詳しくまとめてくれました。
個人事業主や士業、一人親方としてホームページ制作を検討している方は、知っているだけで制作費の負担を大きく抑えられる可能性があります。
ただし、補助金は「安くホームページを作る制度」ではありません。
事業を成長させるための投資を支援する制度です。
だからこそ、SEO対策やホームページの表示速度改善、ワードプレス(WordPress)オリジナルテーマ制作など、長く集客できるホームページ制作に活用することで、大きな価値が生まれます。
そして申請の際は必ずご自身で事前確認をしてください。
① 小規模事業者持続化補助金
ホームページ制作で最も利用されることが多い補助金です。販路開拓を目的とした制度で、ホームページ制作・リニューアル、チラシ制作、広告なども対象になります。
対象
商業・サービス業は従業員5人以下、製造業その他・宿泊娯楽業は20人以下の小規模事業者。個人事業主・士業・一人親方も対象です。自ら経営計画を策定し、商工会・商工会議所の支援を受けることが条件になります。
補助額・補助率
補助上限は通常50万円。インボイス特例で+50万円、賃金引上げ特例で+150万円が上乗せされ、最大250万円まで拡大可能です。補助率は2/3(赤字事業者は3/4)。
申請先
地域の商工会・商工会議所を経由して申請します。事前に「事業支援計画書(様式4)」の発行依頼が必要です。GビズIDプライムの取得も必須です。
認可までの期間
直近の第20回公募では、申請受付は2026年11月5日〜12月15日17:00(様式4の発行締切は12月4日)、採択発表は2027年3月頃の予定です。申請締切から採択発表までおおむね2〜3か月とみておくとよいでしょう。
注意点
採択される前に契約・発注をしてしまうと補助対象外になります。広報費・ウェブサイト関連費はそれぞれ上限30万円(税込)で、単独では申請できず他の経費と組み合わせる必要があります。また申請すれば必ず採択されるわけではなく、直近(第18回)の採択率は約47.5%です。
② デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)
2026年度から「IT導入補助金」の名称が「デジタル化・AI導入補助金」に変わりました。業務効率化やデジタル化を支援する補助金で、ホームページ制作専用の制度ではありませんが、登録されたIT導入支援事業者のサービスを利用する場合に対象となるケースがあります。
対象
中小企業・小規模事業者、個人事業主。日本国内で事業を営んでいることが条件です。
補助額・補助率
補助額は最大450万円。補助率は枠や事業者規模により1/2〜4/5です。
申請先
デジタル化・AI導入補助金の電子申請システムから申請します。GビズIDプライムの取得と、登録済みのIT導入支援事業者との連携が必須です。ホームページ制作会社ならどこでも利用できるわけではなく、その会社(またはツール)が登録事業者・登録ツールである必要があります。
認可までの期間
申請から交付決定まで、おおむね1〜3か月程度です。年に数回、締切が設定されています。
注意点
交付決定前に契約・発注すると対象外になります。過去に交付決定を受けたことがある事業者が再度申請する場合は、賃上げ計画の策定・実行など追加要件が課されるため注意が必要です。
③ 創業・起業支援補助金
各都道府県や自治体では、創業者向けの補助金制度を設けていることがあります。創業時の販路開拓としてホームページ制作費が対象になる場合もあります。
対象
創業予定者、創業後間もない個人事業主、小規模法人など。
申請先
各自治体、都道府県、中小企業支援機関などです。
認可までの期間
自治体によって異なりますが、おおむね2〜4か月程度です。
注意点
地域によって制度そのものが存在しない場合があります。募集期間や条件も自治体ごとに大きく異なるため、必ず事前確認が必要です。
④ 自治体独自のホームページ制作補助金・DX補助金
実は一番見落とされている制度です。市区町村によっては、ホームページ制作、ECサイト制作、DX推進、販路開拓、デジタル化などを対象に独自の補助金を設けていることがあります。
対象
自治体ごとに異なります。個人事業主や士業、一人親方、中小企業が対象になるケースが多くあります。
補助額
数万円から数十万円まで幅がありますが、条件が合えば非常に利用しやすい制度です。
申請先
各自治体、商工会、商工会議所です。
認可までの期間
自治体ごとに異なります。
注意点
制度は毎年変更されることがあり、ホームページ制作が対象外となる自治体もあります。事前確認が必須です。
どんな人があっている可能性があるか。
結局、自分にはどの補助金が合っている?
制度が多くて分かりにくいという方向けに、それぞれどんな人に向いているかをまとめます。
① 小規模事業者持続化補助金が向いている人
- 従業員が少ない個人事業主・小規模事業者(商業・サービス業なら5人以下、製造業などは20人以下)
- 経営計画を立てる余裕がある人(「販路開拓のためにこれをやる」という計画書を作れることが前提)
- 商工会・商工会議所に相談できる人(申請には様式4という書類を商工会経由で発行してもらう必要があります)
- ホームページ制作費だけでなく、チラシや広告費など他の販路開拓経費もまとめて使いたい人
② デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)が向いている人
- ITツール・システムの導入先がすでに決まっている、または決めるつもりがある人(登録済みのIT導入支援事業者・登録ツールを使うことが前提です)
- ホームページそのものより、業務効率化・DX化を目的にしている人(会計ソフトや受発注システム、生成AIツールなどが中心で、ホームページ制作単体を目的にした制度ではありません)
- ある程度まとまった投資をしたい人(補助額は最大450万円までと大きめです)
- GビズIDの取得やベンダーとの連携といった事務作業を苦にしない人
③ 創業・起業支援補助金が向いている人
- 創業して間もない人、またはこれから創業する人(すでに何年も事業を続けている人は対象外になることが多いです)
- 自分の自治体・都道府県に制度があるかを調べる手間を惜しまない人(全国統一の制度ではなく、自治体ごとにバラバラに運用されています)
- 販路開拓の一環としてホームページを位置づけられる人(単独の「ホームページ補助金」ではなく、創業支援策の一部として対象経費に含まれるケースが多いです)
④ 自治体独自のホームページ制作補助金・DX補助金が向いている人
- 地元の自治体に制度があるかどうかをまず確認できる人(市区町村単位でバラバラに運営されています)
- 数万円〜数十万円程度の、比較的小さな金額感で十分な人
- 地域密着で仕事をしている個人事業主・一人親方
- 商工会・商工会議所、または自治体の窓口に直接相談しに行ける人
※③・④は全国共通の名称・数字がある制度ではないため、「お住まいの自治体名+創業支援補助金」のように個別に調べる必要があります。①・②は全国共通の制度なので、まずはこの2つの対象条件に当てはまるかを確認するのが近道です。
自分が利用できる補助金はどう探せばいい?
補助金は国だけではありません。実は自治体の制度の方が利用しやすいケースもあります。まず確認したいのは、
・お住まいの市区町村
・都道府県
・商工会
・商工会議所
・中小企業庁
・中小企業基盤整備機構
です。分からない場合でも、商工会へ相談すると利用できる制度を教えてもらえることがあります。
利用する際の注意点
審査があり、採択されて初めて利用できます。また、多くの制度では一度自己資金で支払いを行い、その後、実績報告を経て補助金が交付されます。
さらに制度内容は毎年変更されることがあるため、申請前には必ず各制度の公式サイトで最新の公募要領を確認してください。
補助金はあくまでスタートを後押ししてくれる制度です。使い方次第で、ホームページ制作費の負担を抑えながら、長く集客できる「資産になるホームページ」への第一歩にできます。